現在ペットを飼っているという方は、「虹の橋」という言葉を聞いたことがあるかと思います。今回はこの虹の橋の由来と意味についてご紹介したいと思います。
虹の橋とは

「虹の橋」という言葉は原作者不詳のまま、世界中で飼っていたペットを亡くした人々のあいだで語られている詩です。
原文は英語ですが、どうやら古いインディアンの伝承にもとづいているものらしく、本国でも作者不明とされており、欧米のサイトを通じて広まっていったようです。
この虹の橋は1980年から1992年のあいだに作られたと考えられていますが、正確な詩作の時期は残念なら不明です。虹の橋の詩あるいは文章は、ペットを失った方々のあいだで広く知られるようになり、最初はアメリカで流布していたが、やがて世界中に広がり、日本でもこの詩の原文や翻訳が認識されるようになりました。
虹の橋は詩だった
昨今はペットブームですが、ペットを飼っている人が多いということはそれだけペットロスによって悲しんでいる方も多いのが事実です。最近ではブログやSNS上でこの虹の橋という言葉がよく使われるようになりましたが、大切なペットの死について少しでも愛を手向けるつもりで「ペットが亡くなった」という言葉を避けるために使っているように思います。
日常では単語のように言葉として使われていますが、虹の歌の由来を紐解いてみると、虹の橋はれっきとした「詩」でした。
虹の橋の内容
上記では虹の橋の由来について紹介させていただきました。続いては虹の橋の内容をご紹介します。
虹の橋は第一部から第三部までがあり、詩の内容を全て合わせると三部構成となっています。
心温まる内容となっていますのでぜひ目を通していただければと思います。
虹の橋 第一部

天国へ行く道の手前に虹の橋と呼ばれる場所があります。
地上で愛されていた動物は死を迎えると、虹の橋に向かうのです。
そこにはたくさんの草地や丘があり、豊富な食べ物や水、日光の光があり、動物たちは走り回って楽しく過ごすことができます。
病で不自由な身体になったり年老いたりした動物たちは、ここでは健康になって元気になります。
動物たちは満ち足りて幸せなのですが、ひとつだけ不満があります。
それは、自分を愛してくれた人と会えなくて寂しいことでした。
しかし、ある日、一匹が突然立ち止まって遠くを見つめました。
瞳はきらきらと輝き、身体は喜びで震えています。
突然、彼は仲間たちから離れ、緑の草の中を走りだしました。
彼はあなたを見つけたのです。
そして、再開した彼とあなたとは抱き合います。二度と離れることはありません。
幸福のキスがあなたの顔に降り注ぎます。あなたは彼の頭をなで回します。
あなたは彼の瞳をもう一度覗き込みます。
その瞳は、あなたがずっとずっと忘れることのなかった瞳です。
それから、あなたと彼は一緒に虹の橋を渡って行くのです。
虹の橋 第二部

天国と地上をつなぐ、虹の橋と呼ばれてる橋があります。
虹の橋の手前には、草原が広がり、いくつかの丘や谷もあります。
人間に愛されていたペットはこの世での永遠の眠りにつくと、この場所に来るのです。
ここには食べ物と水があり、いつも春のように暖かいところです。
病気を患ったり年老いたりした動物も、ここでは元気になり、遊びながら毎日楽しく過ごすのです。
でも、虹の橋のたもとにいる動物たちの中には、あまり楽しそうではない動物もいました。
彼らは、愛されたことのない動物たちでした。
彼らは、飼い主と一緒に虹の橋を渡る動物たちを、羨ましさの混もった少し悲しそうな目で眺めていました。
彼らは、特別な人間と出会ったことがなかったのです。
しかしある日のこと、彼らがいつものように遊んでいると、虹の橋に向かう道に、誰かがいることに気がつきました。
その人は、ペットを飼ったことがなく、ペットと飼い主が一緒に虹の橋を渡っていく様子を、やはり少し羨ましそうに、悲しそうな目で眺めていたのです。
実はこの人も、いじめられたりして愛されることのなかった人でした。
その人が立っているところに、同じように愛されたことのない動物が近づいていきました。
愛されたことのない動物と、愛されたことのない人が近づくと、奇跡が起きたのです。
その人とその動物こそ、本来は生きているときに出会うべきだった、特別な存在であるペットと人間だったのです。
今、虹の橋のたもとでようやく彼らは出会うことが出来たのです。
寂しさや悲しさは消え去って、二人の友は一緒になることができました。
そして、虹の橋を一緒に渡っていきました。
虹の橋 第三部

こんな風に、幸せと愛の奇跡に満ちている、虹の橋の入口に、雨降り地区と呼ばれる場所があります。
そこではいつもシトシト冷たい雨が降り、動物たちは寒さに震え、悲しみにうちひしがれています。
そう、ここに降る雨は、残してきてしまった誰かさん、特別な誰かさんの流す涙なのです。
大抵の子は半年もしないうちに、暖かい日差しの中に駆け出して仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らすことができます。
ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも。
でも、1年たっても2年たっても、ずっと雨降り地区から出て行かない子たちもいるのです。
地上に残してきてしまった、特別な誰かさんがずっと悲しんでいるので、とてもじゃないけれど、みんなと楽しく遊ぶ気になれないのです。
地上に残してきた誰かさんと同じつらい思いをして、同じ悲しみにこごえているのです。
死は全てを奪い去ってしまうものではありません。
同じ時を過ごし、同じ楽しみを分かち合い、愛し合った記憶は、あなたの心から、永遠に消え去ることはないのです。
地上にいる特別な誰かさんたちの、幸せと愛に満ちた想い出こそが、虹の橋を創りあげているのです。
ですからどうか、別れの悲しみにだけ囚われないでください。
彼らはあなたを幸せにするために、神様からつかわされたのです。
そして、何よりも大事な事を、伝えにやって来たのです。
命と儚さと愛しさを。
つかの間の温もりに感じる、慈悲の心の尊さを。
その短い生涯の全てを以って、教えてくれるのです。
癒えることのない悲しみだけを、残しにくるのではありません。
思い出して下さい。
動物たちが残して行ってくれた、形にも、言葉にもできない、様々な宝物を。
それでも悲しくなったら、目を閉じてみて下さい。
虹の橋にいる、彼らの姿が見えるはずです。
信じる心のその中に、必ずその場所はあるのですから。
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