ペットの関する仕事は様々あります。ペットの資格も様々な資格があり、どのような場面で活躍できるか紹介していきたいと思います。
人間にとってペットは家族と認識している方も多くいます。
ペットの知識が必要とされる場も広がっています。
日本のペット事情

多様化するペット関連ビジネス
日本のペット産業は、高度経済成長の始まりと歩調を合わせるように。1960年代中頃に成立したと言われています。
その後もあまり不況に落ち込むこともなく、順調に成長を続けていて現在でもなお成長が期待できる数少ない産業の一つとまで言われるようになっています。
この背景には、ペットに対する意識の変化、少子高齢化に伴うペットへの興味の強化など、原因は様々考えられています。これを裏付けるようにペットの飼育数は年々増えています。
当初はペットの生体販売や飼育に必要な用具、ペットフード関連商品のみだったマーケットも、医療やファッション、旅行などの様々な分野にまで視野を広げ、市場規模は販売関連だけで1兆円、全ての周辺ビジネスを含めると2兆円を越えると言われています。
単にペットを飼育するだけでなく、ペットと接する仕事に就きたいと考える人も増加傾向にあるようです。命を預かる仕事なので難しい面もあり、犬や猫などの知識を学ばないといけませんが、動物好きにとってはやりがいがあり、魅力的な職業も多くなっています。
仕事と資格
ペット関連の仕事の中には獣医師などの高度な知識を要する職業については、資格を必要とするものがあります。資格には、国家資格、公的資格、民間資格の3種類があります。
国家資格
国の法律で定められた資格で、国や都道府県から指定を受けた団体が試験を実施する仕事です。
公的資格
国や地方行政機関が認定する団体が実施する資格で、資格取得の為の一定水準を所轄庁が定め、それにしたがって公的性をもつ民間団体が運営、認定する資格です。
民間資格
法律では定められていませんが、関連企業や協会などの民間の任意団体が認定する資格を言います。ペット関連ビジネスでは、獣医師は国家資格が必要ですが、トリマーやAHT(動物介護士)、訓練士、愛玩動物飼育管理士などは、民間資格です。
ペット関連の仕事
ペットの需要に伴い、動物に関わるビジネスは多種多様な広がりを見せています。
ここではペット関連の仕事は、どのような仕事があるのか代表的なものを紹介していきますね。
獣医師
動物たちの生命を預かる、最も重要で責任の重い獣医師さん。
もちろん、国家資格に合格して資格が認定された人ではないと獣医師にはなれません。獣医学的に関する広範囲で高度な知識を身につけなければならない事はもちろん、資格取得後も日々進歩を続ける獣医学の最新の知識を情報収集していかなくては勤まりません。
さらに、獣医学だけではなく、犬や猫などの動物との接し方にもたけ、飼育や管理について飼い主のサポートができるように、ペットに関わるあらゆる知識を身につける必要があります。
大変な仕事ですが、やりがいのある仕事です。
AHT(アニマル・ヘルス・テクニシャン)
獣医師をサポートする意味から「ヴェテリナリー・テクニシャン」とも呼ばれ、日本では「動物介護士」と訳されます。
動物病院で働く、獣医師の補助的な業務をする、いわば動物看護士
さんです。動物の為の看護士であり、栄養士、検査技士でもある事が求められます。
また、飼い主との応対や会計などの事務処理も行います。AHTが医療行為を行う事はありませんが、これらの事から基本的な獣医学をはじめ動物生理、解剖、微生物、寄生虫、看護学、免疫、事務、一般教養など、幅広い知識を持っている事が望まれます。
アメリカでは動物病院の専門職として州により制度化されていますが、日本ではまだ公的な資格にはなっていません。各養成機関が独自のカリキュラムによって教育を行い、資格を認定していますが、やがては公的な資格導入という方向性も検討されているようです。動物病院の他、ペットショップや動物園、ペットフード会社などもAHTの働き場として考えられています。
訓練士
犬のトレーニングを行う仕事です。大型犬種を中心とした家庭犬の教室をはじめ、警察犬、盲導犬、介護犬などの特殊な作業をする犬の訓練にも従事します。家庭犬のしつけでは、以前は飼い主が訓練所に犬を預けて一定期間、基本的なしつけトレーニングを施した後に飼い主に戻すのが一般的でしたが、近年では犬のしつけ教室を開き、飼い主も一緒にしつけを学ぶという形式も増えてきています。
また、直接家庭に赴いてしつけを教える「犬の家庭教師」という業務形態も増えてきています。訓練士は資格がなければできないという事ではありませんが、現実的には社会的な信用などの面から訓練所で資格を取る必要があるといえるでしょう。
訓練士になる為には、訓練士の養成学校で学んだ後、訓練所に見習いとして入所し、経験を積むというのが一般的です。ペットの雑誌の広告欄などで、犬の訓練所に直接連絡を取るか、各畜犬団体に問い合わせるなどするのがいいでしょう。
家庭犬のしつけ、警察犬など訓練所によって目的とする訓練が異なり、運営や給与体系などのシステムも違うので、いくつかリサーチをして適した場所を選ぶ事をおすすめします。
ハンドラー
ドッグショーなどでは犬を歩かせたり、走らせたりしてその動きを見る「歩様審査」が行われます。犬を見栄え良く颯爽と歩かせたり、止まらせたりするには、かなりのテクニックを要します。そのようなショーの際に見栄え良く犬を誘導するのがハンドラーの仕事です。ドッグショーでは飼い主自身がハンドラーを務める事もありますが、犬の扱いを心えており、自然に、美しく誘導できるハンドラーに任せるのが一般的で、優れたハンドラーは大変人気があります。
ハンドラーの資格はハンドリングライセンスと呼ばれ、JKC(ジャパンケネルクラブ)など各団体ごとに設定しています。犬に関する幅広い知識を持っている事はもちろん、犬の心理学にも通じている必要があります。
愛玩動物飼育管理士
公益社団法人日本愛玩動物協会が実施、設定する資格で、動物関係の法律知識を元に、ペットの飼い方やしつけに関する知識と技術を習得する事を目的とした資格です。
2級、1級、指導級の3段階が設定されており、18歳以上の人ならば誰でも2級を受験する事ができます。受験する為には日本愛玩動物協会の通信教育とスクーリングへの出席が必要となります。1級を受験する為には、2級に合格し、協会員となる事が求められ、さらに指導級を受けるには論文と適性検査が義務付けられています。
トリマー
犬や猫の被毛の手入れやカットなどを専門的に行う技術者の事で、いわばペットの美容師さんです。トリマーになるには、ペット美容院などに「見習い」として就職し、実施で技術を習得する方法と専門のトリマー養成学校に入って知識や技術を身につける方法があります。現在ではトリマーの国家資格はありませんが、JKCをはじめ、いくつかの畜犬団体でトリマーの技術資格を公認し、ライセンス発行をしています。
トリマーには、技術や知識が大切であるということはいうまでもありませんが、犬や猫を美しくトリミングする美的センスも要求されます。資格を取り、就職をしたら目的達成という事ではなく、様々なショーを見学したり、研究所や講習会へ参加したり、自分でペット専門誌などを読んで研究したり、常に時代の流行なども学びながらセンスを磨き続ける努力が重要です。
また、お客様がどのようなトリミングを望んでいるのか、十分なコミュニケーションを図る接客能力を磨くことも良いトリマーの条件となります。
その他の資格
その他にもペットの資格は様々あります。学校に通わなくても自宅で資格を取得できるものもあり、自分のペースで学ぶことができるので大変人気です。
しかし、民間資格なのでどこの誰でも犬の資格を作りだすことができます。
ご自身にあった勉強方法や信頼できる民間団体を選ぶようにしましょう。
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